土曜日, 6月 13, 2009

米国 401(k) 投資の実態

米国 401(k)ネタの続編です。ただし、資産運用といってもこのブログでは米国 401(k)に限って話を進めていきます(その他一般の資産運用については、不動産から株・債券も含めていろいろなブログで既に分析されてますから)。

さて、米国 401(k)の概要については以前のエントリーを見て頂くとして、まずはこれまでの成績です(IRRベース):

2007: 44.02%
2008: -49.13%
2009: 35.91%

インデックス投資を主体としてポートフォリオを組んでいたはずなのに、正直これではリターンのボラティリティが高すぎます(=リスクが高い)。2007年から2009年上半期にかけては、確かにアップダウンが激しい時期ではありました。ただし、原因は自分が選択したアセット・アロケーションにあったようです:

1) 投資期間を短期(1年程度)とし、最適戦略を選択していた
2) 高成長分野に集中投資していた
3) ほぼ全ての期間でキャッシュポジションがゼロであった

ロスカットの水準を事前にきちんと設定していたのは良かったのですが、結局サブプライムローン問題や新興市場ブームのさなかに投資期間を短期として最適戦略を選択してしまっていたため、唯でさえ激しかった市場のアップダウンを増幅してしまっていたわけです。本来なら市場がブームになっている時にキャッシュポジションを厚めにしておくべきだったのに、高成長分野に全力投資になってしまっていたのも原因でしょう。これから引退し実際に401(k)の資産を取り崩し始める59.5歳まではかなり時間があるのでリスクはいくらでも取れるわけですが、ここまで増幅されてしまうと戦術調整のために週末の時間を取られてしまって駄目です。というわけで、時間との兼ね合いも考え、投資期間を4年程度に伸張することにしました。

結果、より長く1つのファンドを保有することになるので、401(k)プログラムが提供する各ファンドのexpense ratioを調べてみることに。やはり、インデックスが断然安いですね。

1) S&P 500 Index Fund: 0.02%
2) BGI Aggregate Bond Index Fund: 0.06%
3) MSCI ACWI ex US Index Fund: 0.09%
4) Pimco Real Return Fund: 0.45%
5) High Yield Bond Fund: 0.55%
6) US Mid Cap Value Fund: 0.65%
7) US Real Estate Fund: 0.96%
8) MSIF Inc Emerging Makrets: 1.43%

というわけで、『ウォール街のランダムウォーカー』を参考に、上記3つのファンド(1)-3))へのインデックス投資を中心に、残り10%程度をインフレ資産(4)-8))へ振り向けてポートフォリオを構成してみることにしました。目標リターンは8.3%、expense ratioは0.50%以下を目標にしています。

今後は、備忘録的にこのブログに結果をアップしていきたいと思います。

日曜日, 6月 07, 2009

ちょっと嫌な感じ

この間、良いアイディアを思いつけないかなぁと、仕事帰りに写真にある公園のベンチでちょっとぼーっとしていたら、散歩中のお爺さんに『ここはNYでも最高のスポットの1つだよね』と声を掛けられちゃいました。小さな公園を多分健康のためでしょうか、杖をつきながらぐるぐる何回も何回も回っているような全然知らないお爺さんです。とりあえず、『ホント最高っスね、ここ』と返しておきました。

なんだか気分の良い夕暮れ時。

でも、仕事も生活も、マーケットまでもが調子いいとなんだか不安になってしまいます。基本は田舎もんなので、こんな良いことが続くはずがないと思い込んでるわけです。うーん。ちょっとこの居心地の悪さはどうにかしたいものです。

日曜日, 5月 31, 2009

海外で働くということ

日本は明治の昔から所謂"外圧"に弱いし、"海外帰り"というとそれが留学であろうが駐在であろうが何か特別な目で見られる文化がある。特に最近は「海外(特にアメリカ?)だと〜が当たり前なのに、それに比べて日本はどうか」という話はよく聞くところ。一方で、賢い人や組織は逆にこれを利用して、日本において自身の理想を実現する際の梃子として海外の事例や経験を利用してきた。超保守的な日本文化の中にあって、この方法はかなり有効であることがこれまで分野に限らず証明されているし、僕も何時か日本に帰ったらおおいに使わせてもらうつもり。

ただ、これが行き過ぎると渡辺さんのブログのようになってしまう。まるでSPA!を読んでるようで、かなりウケタけど。そんな中、眠人さんのブログに冷静な意見がでていて大いに元気づけられた:「他の国で働こうと他の県に就職しようとそれは大した違いではない」。

まさしくそうなんだよね。特に僕が今関わっているような仕事は、ニューヨークやロンドンで探した方が、内容も面白くてかつ給料の良い仕事がごろごろしているわけ。東京で興味のある仕事がなければ、他の都市で探すのは当たり前。そもそも大学を卒業して、それまで離れたくなかった京都からいやいや東京に出て行ったのも、京都では金融の仕事がなかったからなわけだし。そもそも、「日本の国力の衰退」と「仕事(内容と場所)の選択」とは関係ない。人口動態から日本の国力が落ちていくのは当然としても、ビジネスはそれに合わせて規模を変えていけさえすれば、利益水準は維持できるわけだから悲観する必要は全くない。そもそもパイが減っていく中であっても、それ以上のスピードで担い手が減っていくのであれば、取り分は増えそうなもんだ。一方で、国として整備している年金やその他社会保障制度は安易にその規模を変えるわけにも行かないので大変なことになる。行政サービスの担い手やこれまで日本の国力に頼ってきた所謂"政商"にもそういった意味で、将来はない。

というわけで、僕は「日本の国力の衰退」は大いに心配しているけれど、まっとうなビジネスについてはその将来を全く悲観していない。一方で、面白い仕事が日本で見つからないのであれば、履歴書をe-mailしてどんどん海外に出て行けばいいんだと思う。海外での日本人の評判は決して悪くないわけだから。そして何時か日本に帰ったときは、その経験を武器に自分の理想を実現するために奔走すればいい。そう思う。

月曜日, 5月 25, 2009

新サーバーへ移行

ようやくサーバーの移行が完了しました。かなり処理時間が短縮されたように思います。

日曜日, 5月 03, 2009

April Showers Bring May Flowers

決算発表、まぁまぁでしたね。週末は暖かくなってきたので、ドライブに出かけてvineyardで寛いだりしてました。緑がまぶしすぎです。"April Showers bring May flowers"とは良く言ったもの。ただ、まだ風が肌寒いので、風避け(プラスチックの透明なカーテン?)があるのがご愛敬といったところ。ところで、ワイン作り屋さんのプロ仕様の葡萄ジュースはやはり美味しいです。市販されているジュースとは似ても似つきません。これだけ美味しければ、ワインが美味しくなるのも納得ですな。

一方、街道沿いの骨董品店がことごとくセールをしていたり、お店がなくなっていたりする印象があり、少し気になりました。相変わらずロブスターや生clamは最高に美味しかったし町並みもキレイなのだけれど、さすがにhamptonsにも不況の波が押し寄せてきているようです。この国は景気の影響が直接いたるところに現れるようで、ほんと節操ないですね。

その他、最近気になった点を幾つか備忘録的に列挙しておきます:

1) Europe系のquantsはやはりアプローチが全く違いますね。DupireやBergomiの話を聞いていると、面白いけれどなんともいえない距離感を感じてしまいます。この点については、後で掘り下げて考えてみたいと思います。
2) なんで日本はこんなに国民の休日が多いんだろう...
3) NY系のブログを見ていると、去年あたりから西海岸へ移っていっている人達が目につきます。なのに、NYへ頻繁に訪れている....何故か日本人は米国の中でも特にNYがお気に入りのようです。以前、同僚に聞かれて答えに窮したのですが、なんで日本人はボストンやサンフランシスコではなくNYが好きなんでしょうか。謎です。僕は子供の頃の影響もあり、カリフォルニアが今でも大好きです。
4) アメリカ生活を綴っていたブログの書き手が日本に戻った後も何かとアメリカを話題にする件について。アメリカにいた間はたまに東京に帰ると、"日本食は最高でやっぱり安心する"とか書込しているのに、日本に帰った途端に日本食には目もくれず、持ち帰ったワインやアメリカ出張の事ばかりの書き込みになるのは、結局アメリカが好きで、日本にいる友人に気を使っていただけということなのかな。
5) NYの地下鉄は記号で呼ぶものであって、色で呼んでいる日本人がいたら気を付けろ。例えば、A trainを赤色の電車とか呼んでる人。
6) キャリア官僚の方と話していても、決して自分の省庁の事を"うちの会社"とは呼ばないのだけれど、日銀の方と話していると"うちの会社"と呼ぶ人が多い件について。日銀ってそもそも会社なんだったっけ? ま、一応株も上場してるしってことなのかな。
7) Swine Flu、めちゃめちゃ怖いっス。特に若者の間で流行しているとか。そしてふと自分がまだ若者に分類できるのか判断しかねる瞬間が、更に怖い。
8) 投資も仕事も所詮山あり谷ありなのは、皆が認めるところ。でも、いざ自分に降り懸かってみるとなかなか対応が人によって分かれるので、面白い。ここで、名言:「人間の器量というのは二つの点を見れば大半わかる。一つはその人物の絶頂期の振舞い。もう一つは最低期の振舞いがどうであったを見ることだ」(松平慶民)
9) 最近は人生始まって以来、3回目の絶頂期なのかなと思う。初めてこうした感覚に捕らわれたのは、大学院で研究を始めた頃。2回目は銀行で仕事も寮も面白くて仕方なかった頃。大体5年に1回のペースですな。そして、経験則によるとその数年後には思いもよらなかった大きな変化が訪れている...さて、今回はどんな帰結が待ち受けていることやら。楽しみ。

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そこに気になることがあるということは、何らかの歪みがあるということ。そしてその歪みは何時か解消される。それが市場の掟です。

土曜日, 4月 25, 2009

人多すぎ

今年も春の定番、Sheep Meadowへ繰り出すと、そこは人・人・人・人・人....まるで渋谷の交差点のような状況に。

土曜日, 4月 11, 2009

ようやく春の気配

今週の週末は久しぶりに切羽詰まった締め切りを抱えていない、ゆっくりとした週末でした。3連休でしたしね。ただ、桜はまだ5分咲程度でしょうか。来週からはCDS Big Bangも本格的に始まるし、また大変そうです。

ところで、最近Manhattanでもリテール店舗が店を閉め始めてます。それに合わせて70% offといった信じられない値下げで店じまいセールが展開中。近所のチョコレート屋さんも潰れてしまったし、今までお高くとまっていた家具屋の店じまいセールも始まりました。ようやくManhattanにも不況の波が押し寄せてきたといった感じ。問題はその後に給料がどれだけ下がり始めるか。日本は前回の不況で結構下がったから、今から戦々恐々ですね。

土曜日, 3月 28, 2009

401 K.O.?

先週の週末は久しぶりに奥さんの買い物に付き合って、sohoへ。天気も良かったので、服屋さんのウィンドウに目を凝らしている奥さんの傍ら、青空を見ながらのんびりと歩いていたら図らずも今年一番のキャッチコピーに遭遇!! Online証券大手のCharles Schwabの広告なのだけれど、大きく"401 K.O.?"とある。思わず道端で笑い転げてしまった。もちろん我が家も401(k)では昨秋かなりの損失を被ったわけで、本当は笑えないのだけど、あまりに的確な表現にこちらがKOされることに。なにせまだプログラムを始めてから2年しか経っていなかったので、まさしく2R KOだったんだよね。3R目の今年は、幸運にもだいぶ戻してきているものの未だに運用ポートフォリオのIRRは年率3.3%程度と低迷中。

結婚を機にもう一人身でもないことだし、お金も僕だけのものではなくなったからと、それまで自分だけに投資してきたcash flowを資産形成に回し始めたのはちょうど3年半前。たった115万円から始めた割には順調に増えてきてはいるものの、IRRが年率3.3%というのはあまりにお寒い状況です。。せめて2年程度早めに資産形成を始めていれば結果も変わってきていたのだろうけど、あの頃はまったくそんな気にはなれなかったからなぁ。。

ところで最近日本のマネー雑誌を手に取ると、今の相場は歴史的に見ると大幅に安いから買いを入れるべきで、いくら評価損が出ていようとも負けずに定期的な投資を続けるべきだと、そうしてこそ投資のリターンが得られるとかいう論調が目立ちます。信ずる者は救われるということでしょうか。でもこれって明らかに金融機関側のセールストークですよね。どこぞの荒行でもあるまいし、資産運用ってそんなに辛いものなんでしょうか。我慢強い日本人の国民性につけこんだ本当に酷いリテール向けのマーケティングです。大きな損が出たら(or K.O.(?) されたら)、素直に負けを認めて(損失を確定させて)、練習し直してから気分を一新して次の試合に臨みたいものです。

Quality of Quant Job

相変わらず忙しいです。常時かなりのプレシャーの中、短時間で精密な計算を求められる日々。遂にこの間、ポカをやってしまいました。補間アルゴリズムへのインプットが微妙に間違っていて、僕の計算結果を使ったすべての結果がやり直しを迫られることに。。。プレゼン資料も作り直さなければならなかったようで、担当している女性の方が悲鳴を上げていました。。。難しいけれど、経済もマーケットもこんな状況だからこそ、仕事の質だけは落とさないように気をつけないといけませんね。

木曜日, 3月 12, 2009

不況

それにしても、日本でも知り合いのメールアドレスがめまぐるしく変わり始めましたね。ボーナスシーズンも終わって、動きが加速してきたんでしょうか。。。

木曜日, 2月 26, 2009

CDS Standard model

This was quick:  ISDA has just released the CDS standard model with open source license, which is based on the J.P. Morgan's analytical engine. 
 

水曜日, 2月 18, 2009

Inflation Targeting

遂にキターーー!!!リフレ政策の正式発動もまじかです。http://online.wsj.com/article/SB123497955720814011.html?mod=testMod

水曜日, 12月 31, 2008

大晦日

大晦日です。日本ではもう新年ですね。明けましておめでとうございます。

今年はいろいろと勉強になる話題が目白押しでしたけれど、それらがあまりにも身近で起こってしまったので僕自身にまで火の粉が降りかかってきて大変な年でした。なんとか自宅炎上は回避できたので、良しとしましょう。

それにしても忘れられないのが、Lehman破綻後の一週間。マーケットの話は至るところで語りつくされているでしょうが、その裏には様々な人間ドラマがあるものです。Lehmanの一部社員達はあの日曜日の夜にほとんど泣きながら再就職先を求めて電話を掛けていたそうです。僕の上司もそうした電話を取ったうちの一人です。自社株に投資(半ば強制ですが)していた為に散財し、職もなくなるわけですからまさに藁にもすがる思いだったのでしょう。一方で、最後まで一部のトレーダーは利益をだすために奔走していたとか。ボーナスもでないだろうに、何故いまさらLehmanで利益を作ろうとするのか理解できないというのが衆目の一致するところではありましたが。他方、僕の同僚は 9月16日がちょうど在籍20年目を迎える最後の日だったのですが、自分のいる会社ももしや潰れるのではないかと内心ひやひやしていたとか。なんとか20 年目を迎えれたわけですが、手放しで喜べる状況でもなく、その後の展開はご存知の通りです。あの一週間を経験したことで、ようやく僕もブラックマンデーの経験者と肩を並べることができるということでしょうか(;´Д`)

というわけで、今年のクリスマスパーティは質素でした。NYでは今回で出張時も含めて3回目のクリスマスパーティでしたが、Irish Pubを貸しきって飲むスタイルは初めてです。微妙ながらもわいわいやって楽しかったわけですが、その場でdivision headが『これもキャリアの一部であって、そのキャリアこそが重要なんだ』といったことを言っていたのが印象的でした。学生の頃から好きなことばかりを追いかけてきた僕にとって、初めて自分のキャリアについて真剣に考えてみようと思った瞬間でした。

来年も良い年になりますよう。

火曜日, 12月 30, 2008

NYでの生活立ち上げ記録 ~ Non-Drivers ID & Drivers License 編

さて突然ですが、NYCのナイトライフを楽しむ為の日本人の必需品は何でしょう?そう、ずばり生年月日と顔写真付きのIDです。バーにしろクラブにしろ、童顔の日本人は自分の年齢を証明するのにいつも苦労するわけでヽ(`Д´)ノウワァァァン。

というわけで、毎回パスポートを持ち出すのが面倒な人はIDを作る必要があります。米国でいわゆるIDというと、免許証(日本と同じですね)かNon-Drivers ID(免許証と同じ情報が載っているただのID)を指します。Non-Drivers IDを作るのは超簡単で、最寄のDMVへpassport+scocial security card+credit cardを持って申請すればその場で作ってもらえます。とはいっても、大抵混雑してるので2-3時間は並ぶはめになりますが。一度取得しさえすれば、更新はオンラインで可能ですし、有効期限も5年以上あるので日本に比べると楽チンです。

でも、これだけでは車を運転はできないので、やはり免許証を作る必要があります。実は免許証も日本に比べるとはるかに簡単に手に入ります。大統領選で免許証の移民向け発行手順が議論される所以です。その手順はというと、Non-Drivers IDと同じく、passport+scocial security card+credit cardを持って申請し、その場で簡単なペーパーテストを受けます。このテストは超簡単でかつ日本語でも受けられるので、一夜漬けであらかじめ過去問を勉強してさえおけば落ちることはありません。これだけで日本でいう仮免をもらえます。その後は、2時間程度の簡単な講義を受けた後、10分程度の路上試験をパスすれば運転免許証を発行してもらえます。路上試験はNew Rochelle, White Plains, Yonkersの3つの中から試験場を選んで受けるのですが、試験場といっても通常の住宅街なんですね。一応、town hallのようなところが集合場所になっているものの、周りの住民はいい思いをしないだろうなとか思ってしまいます。試験内容は、住宅街を普通に走った後に、縦列駐車とUターンをするだけ。正直、日本で免許を持っている人にとっては右側通行さえ守れれば落ちるわけがないという内容です。僕はその右側通行を守れずに落ちてしまいましたが。。いちおう言い訳としては、朝の早い時間で回りに車が一台もいなかったので、ついつい右に曲がったところで左車線に入ってしまったのですよ。。一発で落ちてしまいました。当然ですよね(;´Д`)。もちろん2回目はお昼過ぎの時間を選んで、無難にパスしました。講義と路上試験については日本語の通じるdriving school (1 or 2)を使うと便利です。

日曜日, 12月 28, 2008

失業に関する日米の温度差

以下は読売新聞の記事から。
非正規労働者の失職、来春までに8万5千人(12/25付)

雇用情勢が急速に悪化する中、今年10月から来年3月までに職を失ったか、失うことが決まっている非正規労働者が約8万5000人に上ることが26日、厚生労働省の調査でわかった。

 今月19日時点で把握した数値で、前回調査(11月25日時点)の約3万人に比べ、3週間余りで2・8倍に急増した。このうち、再就職先が見つかった人は、企業が動向を把握していた1万7000人余のうちの1割強にとどまり、住む場所を失った人が少なくとも2100人余に上ることもわかった。

 非正規労働者の失職は、全国の労働局やハローワークが企業から聞き取るなどして調査した。

 それによると、期間満了後に契約が更新されない「雇い止め」や、契約期間が残っているのに契約が打ち切られる中途解除によって来年3月までに職を失うのは、派遣労働者が5万7300人で全体の67・4%を占めた。

 期間従業員などの契約社員は1万5737人、請負労働者は7938人で、パートやアルバイトなども含めると計8万5012人。このうち、年内に失職するのは5万2684人という。都道府県別にみると、最も多いのが愛知県で1万509人。長野県4193人、福島県3856人、静岡県3406人、栃木県2912人と続いている。

 今回の調査では、再就職や住居の状況についても企業から聞き取った。それによると、再就職先が見つかったのは、企業が把握していた1万7171人のうち、11・8%の2026人にとどまり、残る1万5145人は職が見つかっていない。住居の有無は、3万5208人について企業が把握しており、このうち住む場所を失ったのは6・1%の2157人だった。

正直何かの読み違いかと思ってしまいました。ここのところ日本での報道をぼんやりと見ていると、派遣・期間工の失職問題を騒ぎ立てていたので他人事ながら大変だなぁと思っていたのだけれど、実際の数字を見てその少なさに驚いてしまった。統計局のデータによると日本の全就業者数は6391万人いるので、仮に上記データが正しいとすると、非正規労働者の失職者数は全体の0.13%に過ぎない。廃業・倒産などの場合を除いて、日本型の雇用形態で正社員の雇用が守られていると仮定すると、この8.5万人という数字は今年10月から来年3月までの失業者数の大枠を示していると思われる(完全失業率は11月のデータで前月比+ 0.24%増)。この数字は米国のそれに比較するとかなり低い。米国では、所謂失業保険の週毎の新規申請数はここ20年ほど30万人~50万人で推移してきている(就業者数に対する比率は、0.21%~0.48%で推移)。というわけで、10月から3月までの半期で非正規雇用の新規失業者数が0.13%増という数字は、米国の好景気なみの水準よりも著しく低い。全国紙は特定の団体向けのメディアではないマス・メディアの筈なので、これだけこの問題を取り上げるのには数字以上の問題を孕んでいると判断しているからなのでしょうね、、、きっと ヽ(´ー`)ノ

それにしても、日本企業は本当に従業員にやさしいなぁとつくづく思う。もう来年で僕も米国企業でのキャリアの方が日本企業でのそれより長くなってしまうので、最近ではリストラ or 失職なんて当たり前と考えるようになってしまっている。SNS(Facebook, Linkedln etc)なんかも失職した時の為の連絡網だ、くらいにしか考えられなかったり(;´Д`)。少し考え方を洗い直して、修正しないといけませんね。

土曜日, 12月 27, 2008

金融工学

今年は(というより昨年より)CDO, RMBSに代表される"金融工学"を用いて設計された商品群が崩壊したことにより"金融工学"自身にも注目が集まりました。この分野がわかりにくいことも手伝って、理不尽な批判も目にすることが多いです。サブプライム問題は"金融工学"が作ったとまで謂われる始末です。もちろんプロの投資家は事情を知った上で知らん振りをしているのでしょうが、ここで少し問題を整理してことの本質を明らかにしておきたいと思います。

これは前にも書いたことがあるかもしれませんが、まず"金融工学"という言葉を使うのはやめましょう。これはFinancial Engineeringという単語を単に日本語訳した浅はかな造語です。この単語を使うことで日本語による思考が楽になったりするものでは決してなく、余計な誤解や齟齬が増えるだけです。こんな造語を使っていては、漱石や高木貞二に顔向けできません。実際には、computational finance (金融計算機学とでもなるでしょうか?) とか mathematical finance (金融数学とでもなるでしょうか?) と呼ばれる分野の仕事がこうした商品群の設計を可能にしているのであって、英語でもいまどきfinancial engineeringによって云々などといったら素人だと思われてしまいそうです。

では、金融計算機学や金融数学の何が問題だったのか。金融計算機学は天文学的な計算を可能にしたり、計算速度自体を速める方法を考案するわけなので、特に問題があったわけではありません。強いていえば、商品が複雑になるほど計算時間が掛かるので、リアルタイムで時価やリスク指標等を計算しづらいという問題を完全には解決し切れていないという意味で責任の一端があったかもしれないという程度です。では金融数学についてはどうでしょうか。これは更に次の2分野に大別されます:

1) 確率解析学と無裁定原理に基づいた資産価格付け理論: デリバティブの価格決定時に良く使われるものです。主要な前提条件は、将来の価格の分布形状であり、よく対数正規分布や正規分布が仮定されます。

2) 数理統計学に基づいた投資理論: ポートフォリオの分散投資時やVaRの計算に良く使われるものです。主要な前提条件は、過去の価格データから推計された統計量が普遍であったり、或いは時間回帰するものであるとすることです。よく相関の普遍性であったり、回帰分析された関係式が普遍であると仮定されます。

まず1)についてですが、前提条件が少々崩れようともこの理論はびくともしません。細かいことをいう人はよくBlack-Sholes式は対数正規分布を前提条件にしているが、実際の株式の価格分布は対数正規分布ではない云々ということを主張します。ただ、こうした違いは前提条件を正しく理解してさえいれば、使用する上で特に障害とはなり得ません。2)についても、本来は同様です。ただ、2)の方が過去データへの依存度が高いという意味で注意しなければなりません。過去データのモデリングが物理の法則を発見する作業に似ているので、物理屋さんが重宝される分野でもあります。

さて、ではCDOやRMBSの設計段階で問題だった箇所はどこか?それは過去のデフォルト率や早期返済率を推計する際に考え出された過去データのモデリング部分, 2), です。こうしたデータモデリングはある意味CDOやRMBSといった商品に内包されている投資戦略そのものであるものの、推計レンジが長期化すればするほど推計が難しくなるという問題があります。人口統計等の長期推計値がよくぶれるのと同じです。

プロの投資家であればこうしたリスクは承知していたはずでしょう。過去データのモデリングが商品としての投資戦略を決定付けていることも。いまどき過去データから推計されたリスク・リターンをそのまま使って分散投資する投資家はいないように、今後はこのCDOやRMBSで使われるデータモデリング部分も投資家毎にカスタマイズするような方向になっていくのかもしれません。

金曜日, 12月 26, 2008

Holiday Sale 2008

今年のセールはやはり駄目だったようです。昨年比でtotal retail sales(excluding automobiles)の結果をみると、11月は5.5%の減少、12月は8.0%の減少。ガソリンがかなり値下がりしているので、その影響を除くと11月で2.5%、12月で4.0%の減少 (WSJ)。弱いですね。ただ、個人的には今期のセールの売りである大幅な値下げにまんまと釣られていろいろと買い込んでしまいました(;´Д`)。なかでも驚いたのがDesktop PCとTV, オーディオ関連の値引率。それぞれ35%, 45% offが当たり前の水準でこちらが利益率の心配をしてしまうほど。僕もこの機会にDesktop PCと前から欲しかったHome Theater用の機器を買いました。部屋が広くないので奥さんとも相談して今のところ2.1chにしかしてないのですが、やはり独身時代に買った安物コンポとは比較にならない良い音で満足してます。

水曜日, 12月 24, 2008

朝食

もう今日に限ってはマーケットも会社も閑散としてますね。ところで、最近朝食にベーグルを良く食べるようになりました。急ぎの用事のない朝は、社食でベーグルを焼いてクリームチーズとジャムをつけて食べてます。これが何故か無性に美味しいんです。お腹にもたまる優れものですが、少々カロリーが高そうなのが気になるところ。NYCに来てから1年半経ってようやくベーグルの味に気が付きました。

月曜日, 12月 22, 2008

Another milestone for my entire life

お久しぶりです。皆様如何お過ごしでしょうか。僕はといえば、なんとか激動の第4四半期を潜り抜け、今は無事にボーナスをゲットしてホッとしております。とはいうものの、前回の日本での金融危機時もそうだったのだけれど、普段連絡をしてこない古い知り合いから突然生存確認メールがきたりで、どうしたものかちょっと戸惑ってしまっていたり。僕は相変わらず元気にやってますし、まだクビにもなってもいませんし、会社も潰れてません(;´Д`) ご安心を!! でも、投資銀行業界は無くなってしまいましたね ド━(゜Д゜)━ン!!

というわけで、ようやく12月になりました。年度末もなんとか切り抜けて、待ちに待ったホリデーシーズンの到来です。NYCではThanksgivingが終わると同時にロックフェラーにて恒例のクリスマスツリーの点灯式があったりで、街も徐々に混み始めてきています。点灯式の当日は交通規制が敷かれていて、普段は20分ちょいで会社から家まで帰れるのに1時間以上も掛かってしまったり。どうやら会場ではトップスターがクリスマスシーズンにぴったりの歌を披露していたようなのですが、まったく聞こえませんでした。

ところで、最近ブログの更新が滞ってしまっているのには理由があります。まさに金融危機の震源地付近で右往左往しているわけで、正直ここには書けない事だらけの毎日なんです。ヘタを打つわけにはいかないし、臨場感のない文章もつまらないので自ずと筆が遠のいてしまいます。それにブログどころではなかったというのが本当のところですね。

とはいうものの、備忘録を残しておかないと忘れてしまいそうなので客観的な事実を中心に纏めてみます。まず今秋のイベントのポイントですが、潮目が変わる or 海の色が変わるというレベルではなく、"ビックインパクト"(恐竜全盛期を断絶したといわれる小惑星の衝突)でした。その後のマーケットが崩壊していく様はまるで氷河期に入っていく前兆のようで。。中にはスローモーション暴落とみる向きもあったものの、これだけ大きな変動があのスピードで起こるとは、、というのが正直な感想です。ここで主な市場の変動率を見てみましょう (Q4/2008):

Oil: -53.1%
NIKKEI 225: -39.5%
S&P 500: -33.6%
GBP: -17% (realized vol of 26.1%)
NG: -13%
EUR: -12% (realized vol of 23.3%)
Trsy 10y: +11%
JPY: +12% (realized vol of 31.0%)

CMBS: +50% (spread widened)
CDX: +75% (spread widened)
Italy CDS: +300% (spread widened)

こんなことってあっていいのでしょうか? 第4四半期だけでこの変動率!! そして次は主な経済指標の動きです:

Weekly Initial Unemployment Claims: 11/22時点での4週移動平均値が518,000人ということで、'91, '01の景気後退期を上回る水準。ちなみに、'91,'01共に4週移動平均値は500,000人以下。
Total housing starts: 住宅着工件数は625,000/月ということで、Census Bureauが1959年に調査を開始して以来の最低水準。90年代, 80年代初頭もこれよりましでしたね。
Builder confidence index (NAHB): 11月、12月と9 (50がneutral)です。もちろん調査開始以来の最低水準。
Retail sales: nominal retail salesは11月時点で8.4%(YoY)の下落。これも調査開始以来最大の下落率。

12月短観: 各DIは前例がない低下幅を示しています。-21pt (業況判断DI, 大企業・製造業), -22pt (海外需給判断), +7pt (大企業 雇用判断, 余剰), +6pt (大企業 設備投資, 余剰)。

こんなことってあっていいのでしょうか??そして主な中銀の政策金利の誘導目標の動きです:

ECB: rate cuts of 1.75% in two months to 2.5%.
BOE: now its key rate is at 2%, which is the lowest level since the bank's founding in 1694 (!!)
New Zealand: now its key rate is at 5.0%, which was at 8.25% at the beginning of 2008.
FED: now at 0-.25% with quantitative easing (ZIRP+QE).

こんなことってあっていいのでしょうか???

閑話休題、『行く年来る年』という句は日本語の中でも大好きなフレーズの一つです。せっかくのクリスマス休暇ですので、これから年末年始に掛けてゆっくり今年を振り返っていこうかと思います。

土曜日, 10月 04, 2008

Sep 08

ようやく魔の9月が終りました。Labor dayの週末をHamptonsで過ごした後、心機一転また年末まで頑張ろう!と思った矢先の大混乱。もうマーケットも何もかもがChaosでした。とりあえず、なんとか生き延びているものの、今後の展開は予断を許しません。このブログもだいぶ更新頻度が落ちてしまってます。100年に一度の業態転換の真っ只中にいるので、下手なことを書くわけにはいきませんしね。とりあえず、マーケットの抱える問題点と雑感を幾つか。

1.信用とは一体何だろうか。

まだ取り上げてないのですが、今年の年初から事あるごとにLIBOR問題が取り上げられてます。米系の商業銀行が嘘のレートを提示しているのではないかと。Lehmanも最後は誰にも信用してもらえず、跡形も無く崩れ落ちてしまいました。十分な審査もせずに実行されたローンは誰からも見向きもされなくなってしまって、政府が買い取るという最後のカードをきることに。金融業界に入ってからもうすぐ十年目。日本、米国で未曾有の金融危機を経験して思うのは、it's a fragile industry that we are living inということ。

2.モデルの限界点

いままでいろいろとモデルを作ってきて、自分で言うのもなんだけれど、かなり役に立っていると思う。でも、今回ばかりはモデルの限界点を目の当たりにしてしまった。予想外の事態が連続して起きることでどこまでがモデルの前提に含まれていているとしてよいのか線引きしずらいし、まったく想定の範囲外ではモデルはもはやマーケットに信用されないという意味で、意味をなさなくなってしまう。

3.金融の複雑化とフラット化

金融業界内でも複雑なスキームや商品は満足に理解されなくなってしまっている。こうした複雑化はそれはもちろん業界外の人達に不信感を抱かせる要因の一つとなるし、フラット化を通じてその影響は全世界へ拡がることに。人々の生活を容易にしたり、夢を実現するためにファイナンスを付けるのに必要な進化だったと今でも思うものの、その制御に有効な手立ては結局未解決の大問題として残ってしまった。さてはてどうしたものか。

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ここ一ヶ月、かなり疲れたので今日は急遽息抜きにワシントンD.C.に来てます。週末のD.C.はのどかなもので、ワシントン記念塔をバックに公園でリスを眺めてリラックス。来週も頑張りましょう!