水曜日, 1月 31, 2007

わが師わが友

ひさしぶりに朝永先生の本を手に取り、例の言葉を打ち込んでみた:

「業績があがると否とは運です。先が見えない岐路に立っているのが我々です。それが先へ行って大きな差ができたところで、あまり気にする必要はないと思います。またそのうちに運が向いてくれば当たることもあるでしょう。小生はいつまでもそんな気で当てに出来ないことを当てにして日を過ごしています。ともかくも気を長くして健康に注意して、せいぜい運がやって来るように努力するよりほかはありません」(朝永振一郎、「わが師わが友」)

この言葉を繰り返す度に自分が元気になっていくのがわかる。

金曜日, 1月 26, 2007

クビになる got fired

いくらうちが安定している投資銀行であっても、この業界、突然クビになってしまう話は数ヶ月に一度は聞こえてくる。 最近電話がないと思っていた人がやはり突然クビになっていたそうな。これにはかなりのショックを受けた。しかも、長年(10年以上も)勤めていた人を数日でクビにしてしまうカルチャー。

今回は特に人と人の間のいざこざではなかったものの、単純なbooking missから発生した損失の責任を取る格好。私たちにどう反応しろというんでしょうな。疑問ですよ。プロとしての気のゆるみを指摘されたのか、はたまた以前よりパフォーマンスが悪かったのか。いずれにしても、ショック。

せっかくなので、ここでタイプ分けをしてみよう:

1.リストラ

所謂リストラとは部署ごと1日のうちにクビになるというもの。不況の際に頻繁に出没する形式。日本でもITバブルが崩壊した2002年によくみられた。有名どころではAmroの株式部門閉鎖事件: 神谷町の森トラストビルにあったオフィスからホテルオークラへ移動して突然の解雇宣言。従業員側も急遽組合を結成して対抗するも交渉が成立したという話は聞かない。同時期にJP株式部門でも大規模なリストラが行われた。

また、外資系であるパターンは支店そのものの閉鎖。これはキツイ。コメルツ・バンク東京支店はこのパターンで、2003年に営業を止めている。

2.上司とそりが合わない

好不況に関わらず外資では最も多い解雇パターン。特に外人の上司に嫌われてしまった日本人スタッフの末路は悲惨。ある意味理由は明確なわけだけれども、理不尽な扱いに周りの同僚も動揺してしまうことが多い。Kiss on his assな社員が優遇されることに。上司の旅行にわざわざ鞄持ちで同行しているという話は良く聞く。

3.パフォーマンス 

外資のイメージではこれが一番多いのだろうけれど、実際の現場ではほとんどない。というよりも、やはりパフォーマンスについては2-3年の猶予期間があるようで、逆にいきなり好パフォーマンスをたたき出す必要なない。猶予期間内にパフォーマンスが上がらなければ、同僚からも仕方ないよねといった目で見られてしまうからごく自然に居にくくなって解雇になる。メッツの松井が良い例。

ということで、最近の流行は2.ですかな。気をつけましょう。

International banking

ニューヨークへ赴任することになって、米国に銀行口座を開設する必要ができたので、現地のHSBCに連絡してみた。この時に驚いたのが、まずうちの会社の社員であれば自動的に富裕層向けのpremier accountを開くことができること。そして、日本にいながらにして米国で口座を開くよりも簡単なのではないかと錯覚させられたこと。

所謂日本的経営の大きな要素である”系列”は実は米国人が他の会社と保っている関係よりも薄く、どちらかと謂えば脅しに近い格好になっているのではないか。仮に日本の企業にいる場合には到底得られないであろうサービスを受けて初めて気がついた。この関係を築くために彼らは何をしているのだろうか。

金曜日, 1月 19, 2007

利上げなし

結局利上げなしですか。そうですか。これで、監督当局に続き、日銀までもが市場の信任を失うことに。どうしますかね。

一応日銀から金利引き上げ後の市場についてレポートが出ていたので、UP。
mkr0701a.pdf

水曜日, 1月 17, 2007

利上げ観測に思うこと

明日の決定会合で日銀が0.25%の利上げを実施するかが注目されている。今回、ちょっとした騒動になっている背景には恒例のリーク報道があるのだろうと思う。

これまで日銀はことあるごとにマスコミに強気の姿勢・情勢をリークすることによって、金融緩和解除、ゼロ金利解除と順調に自身の政策を実行してきた。それがここにきて、さすがに嫌気がさしてきた政府関係者によって刺された格好になっている。つい2日前まではやはり日銀サイドからと思われるリークによって、利上げ観測が盛り上がっていたわけで、GCレポレートなんかも完全に100%利上げを織り込んでいた。それが今日の報道で完全にひっくり返される格好に。結果的に、日銀は利上げ・利下げどちらの場合にもダメージを負う事になるというのが市場の大方の見方のようだ。

罰があたったというかなんというか。情報戦ではやはり政府が一枚も二枚も上手ということかと。これまで静観していた政府筋が日銀に釘を刺したという点では、政権交代後にみごとに姿勢が変わっていることも含めて、戦略の練り直しが必要ですよ。

1.ブラックアウト期間中であるため、愚直に解釈すれば一連の報道のネタの出所は日銀ではないと思われる。というのも、内容的にここまで言える人は総裁以外にいない。しかし、総裁自身がTBS等のメディアにこのようなリークをすることは一般的に考えにくい。消去法的に考えると、出所は官邸または自民党首脳ではないか。

2.一連のリーク報道で、結果は最後まで判らなくなってきた(まだ完全に見送りとは言えない)。

3.ここまで来ると、利上げしてもしなくても、日銀にとりダメージは大きい。情報の錯綜による最大の敗者は日銀である。

4.利上げしない場合、展望レポートの中間評価において、基本シナリオの下方修正が必要となる。すなわち、シナリオを修正しないまま利上げを見送れば、論理の整合性がつかなくなるが、それはすなわち日銀がそもそも景気判断を当初から誤っていたことになる。また、一連の強気発言の割に先進国の中央銀行にあるまじき優柔不断さで、信認の低下も必至であろう。

5.利上げした場合も、政府・与党との関係はデリケートなものとならざるを得ない。また、コアCPIのマイナス圏突入が春先以降に見込まれることから、2月に利上げを延期したところで、結末は同じことである。4月の2名の審議委員人事、および来年3月の総裁・副総裁人事にも影響しよう。

木曜日, 1月 04, 2007

明けましておめでとうございます。


ふと以前の日記を読み返していたら、2001年から2003年にかけてと2005年から2006年に掛けてはほとんど全くといって良いほど記事がないことに気がついた。裏を返せば2004年には大きな変化があったことが伺える。実にこの時期は転職と結婚を同時に体験した年であった。そして2007年は久しぶりに大きな変化が予感できる年となるはず。

年初にあった最大の変化はNYへの赴任が決まったことと、世田谷に自分の家(一戸建)を購入したこと。NYへの赴任は言わば自分の目標への大きなステップ。なんといっても本場のQuantitative Analyst(クォンツ)として一流投資銀行のクォンツチームに入るのは自分でも信じられない程の運の強さと言える。なんだかギニュー特戦隊に入隊する気分ですな。ここでどれだけやっていけるかで、自分の将来も決まってくるんだろうし、目標にも近づけるに違いない。そこで、今年の目標:「To be a creative professional !! - The Chalenge」。

なんとなく過去も振り返りたくなったので、これまでの目標の一覧を作ってみた:

2000年:Hop, step, Jump !
2001年:デビルにな~れ
2002年:エンジェルにな~れ
2003年:二人で成長する
2004年:Am I hungry? Always to be HUNGRY!
2005年:***
2006年:To be a creative professional !

いやはやなんとも浅はかで青臭い目標ばかりですな。。