月曜日, 6月 25, 2007

NYでの生活立ち上げ記録 ~ 電気・ガス・水道編

今日でNY生活もちょうど3ヶ月が過ぎたところということで、生活の立ち上げ記録をメモメモ。

まず必須なのが、電気、ガス、水道です。ただこれらについては、Manhattanに住んでいる限り特に手続きをしなくてもアパートに入った時点ですぐに使えてしまうのだ!特に、ガス・水道の使用料金に関してはアパートの賃料に既に含まれている場合が大半で日本のように個別にTOKYO GASや東京水道局と契約を結ぶ必要はありません。ただし、電気料金については後日自己申請しておく必要があるので注意。このアパートの場合は、Con Edisonと個別契約を結ぶ必要があったので、とりあえず電話してみると、日本のようにわざわざ点検しにくることもなく、電話一本で契約終了・サービス開始となる。このときちょっと安全性に疑問が沸いたのだけれど、後日奥さんの友人からCon Edisonの管理しているマンホールで感電死した人がいるというのをきいてやっぱりなぁ〜と。どうやら今はその通りに犠牲となった方の名前がついてるそうで。。それにしてもマンホールに立っただけで感電死してしまうとはどれ程の電力が漏電していたのだろうか。考えるだけでも空恐ろしい。ちなみに、Con EdisonはManhattanでは独占的な地位にあり、東京でいうところの東京電力のような会社。東京電力も最近になって、原発がらみの隠匿体質が明るみにでて問題になっているけれど、こんなハレンチな事件はまだ起こしていないと思う。いずれにしても、公共サービスを提供していて、かつ独占的な地位にある会社は要注意ということですな。

ところで、ガス代と水道代が浮いたので、得した気分になっているとなんだか怪しい文面が。。(以下、うちのリース契約書から抜粋):

"10. Services: (A) As long as Tenant obeys all of the provisions of this Lease, Landlord will give to Tenant, only insofar as the existing Building equipment and facilities provide, the following services: (1) elevator service; (2) hot and cold water in reasonable amounts at all times; (3) heat as required by law. ..."

なんと冷暖房を提供するのは法律、この場合ニューヨーク州法、で決まっていると。。ということは、公的に保証しなければならないほど自然環境が厳しいか、このお金さえもけちってしまう親などがいるので子供を保護する意味で貸借人にではなく賃貸人に対してこのように義務づけられているのか。。??いずれにしても社会の違いを痛感させられ、また税金の重みを改めて感じた瞬間だった。

さて、次に必要なのは携帯電話とインターネット、テレビといった情報端末類。これについてはまた次回アップ予定。

月曜日, 6月 18, 2007

ブログ名変更

これまで実に6年あまりにわたって使用してきた日記の名前「RUMのつぶやき日記」を変更することにした。東京から居を移して、ようやくこちらに慣れてきたところだし、ちょうど良いタイミングかなと。今後もよろしくです。

日曜日, 6月 17, 2007

邦銀・日系証券におけるクレジット・リスクの認識 その2

もう数ヵ月前になるのだけれど、日本で唯一ファイナンシャルテクノロジーを組織として追求している会社の友人と夕飯を食べていたら、また面白いコメントがあったので紹介したい


「しかしカウンターパーティリスクをかなりまじめにやってるんだね。邦銀と違っていろんなカウンターパーティがいるんだろうか。」

いえいえ邦銀の方が日本だけを取り上げれば取引先は多いでしょ!!特にメガバンクに限っていえばもう取引先ではない企業はいなんいんじゃないんですかね。とまずは 軽く突っ込んでおきましたが、これも日本におけるリスクマネジメントの在り方について様々な問題提起を連想させるという意味で、良い事例です。まずカウンターパーティリスクはデリバティブ取引から発生する信用リスク部分であって、確に日本ではあまり注目されていないリスクであることは確か。特に、仕組み預金に組み込まれているデリバティブ取引の場合には、預金部分でそのリスクを一般的にカバーできると考えられていることからほとんど無視されているのではないだろうか。ただし、ここにまたしても落とし穴がある:

1. リスクは小さいと考えられているというが、その根拠はなんなのだろう?自分の経験では、どうしても適切に計量化されているとは言い難い。
2. リスクがあることがわかっているのであれば、それを把握する体制を整えるのがリスクマネジメントの基本である。特に、この場合には彼らにとってはヘッジできないリスクである筈。

たぶん彼らにとって、リスクとはmangeするものではなく、管理する対象なのであろう。サッカーで言えば、ディフェンスとラインマンの違いに相当する。ラインマンはある一定のルールを犯した場合に、試合を止める権利を持つ審判であるが、主審に比べるとその判断は「恣意性」のないものであって「客観的」である。ディフェンスは相手の陣形から得点につながる危険なパスコースをあらかじめ消さなければならないし、危険を察知した場合にはその機会を「能動的」に潰しに行かなければ仕事にはならない。非常におおざっぱだけれども「保守的な」基準でもって最終ラインさえ押さえて管理しておけばよいというのが邦銀・日系証券のラインマン的リスク管理であろう。それに比べて、あるとわかっているリスクはその大きさを正確に見極めた上でmanageするのが欧米流のディフェンス的リスクマネジメントであろう。リスクの計量化はその第一歩であって、その次の段階では是が非でもヘッジの方法を確立するものである。そもそも真面目にやらないリスク・マネジメントなど存在しないはずだ。

この話題に関連して、最近次の本を読んでみた:「大本営参謀の情報戦記 - 情報なき国家の悲劇」(堀 栄三)。国家としての危機管理とはなんであろうか、という主題に十分答えられる内容になっている。著者の結論は、「情報」であって、この収集・管理こそが現代の国家レベルでの危機管理だというわけだ。米国のCIAしかり、英国のMI6、またはフランスのDGSE+DST(国防省対外治安総局+国土監視局)がこの任務を負っている。それに比して、日本はどうであったか?これは企業レベルにもいえることであろう。

器量

曰く、「人間の器量というのは二つの点を見れば大半わかる。一つはその人物の絶頂期の振舞い。もう一つは最低期の振舞いがどうであったを見ることだ」(松平慶民)。気の引き締まる一言だ。

土曜日, 6月 09, 2007

邦銀・日系証券におけるクレジット・リスクの認識 その1

友達と話しているといろいろと発見があって面白いものだけど、リスクの認識方法に面白いコメントがあったので紹介してみたい。

「最近与信枠を使っていないみたいなので、削減しますね」

昔から時々意味が飲み込めずに不覚にも絶句してしまう瞬間はあったものだけれど、この時のインパクトも相当大きかった。この発言は、友達が日系証券会社のリスク担当者との会話の中で聞き及んだものなのだけれど、彼らが抱える内部矛盾を端的に示している点において深い。まず、1) 与信枠とは使っていないと削減されて無くなってしまうんかい?!、そして、2) 与信枠の管理において相手方となる企業の信用リスクの推定は議論に出てこないんかい?!、ということ。確に使っていない与信枠をリスク管理上敢えてメンテナンスしていく必要はないわけで、一見筋が通っているようにも見える。けれど、果たしてそれだけで与信枠を削減する根拠になるのか??そうここで本来ならば相手方の信用リスクの推定の必要性が出てくる筈なのだけれど、この発言はそこにはまったく触れずに一気に結論まで進んでしまっている。ちなみに、この相手方の企業とはビジネスが継続していてエクスポージャーもそれなりに積まれている状況であった。つまり彼らが抱えている内部矛盾は、

1.信用リスクを管理するための与信枠であるにも関わらず、個別の信用リスクの推定がおそらく行われていないこと。
2.与信枠とは文字通り信用リスクをある一定範囲内に収めるための物差し(数字)であるにも関わらず、物差しの基準がはっきりしないこと。

、なんだろう。なので、本来は信用リスクが変化した場合にのみ、ある一定の管理ルールの元で改訂されるべき与信枠がこのように非常に属人的な判断で決められてしまっている。思うにこれは債権区分毎に限界与信枠を決めて総量規制をするようなイメージの銀行系の考え方なのかもしれない。でもこれではどうしてもバケット内でのやりくりとして債権の集中リスクは避けられないし、あるバケットから他のバケットに取引先が移動する場合などに迅速な対応は図れない筈。そしてまさしくこれが邦銀の与信ポートが抱えている致命的な問題なのだろうと思う。こういった問題を解決するために、資本配分の議論などが出てきて、相関を考慮したデフォルトモデルを元に計量化を試みているのかもしれないけれど、僕に言わせれば何故個別の取引先毎に信用リスクに応じた与信枠を設定していかないのか非常に疑問。やっぱり、まずは個別リスクこそ与信枠を使ってある一定範囲内に収めた上で、相関を考慮してシステマティックリスクをindex取引でヘッジするのが筋だよね。そして個別リスクを与信枠に収めるときにこそ、ローンパーティシペイションやらCDS取引やらで個別ヘッジの必要性がでてくる。しかしあれだけひどい目にあっていながら、その根本的な原因の解決がなされていない様には本当に絶句させられる。。

土曜日, 6月 02, 2007

ギニュー特戦隊 その2

最近面白いのは、チームのメンバーが皆バラバラとビザを更新するために各国の大使館に行くために休みを取っていること。前のエントリー(1/4/07)でも紹介したように、このチームは各国から集まった混成部隊なので、ビザを定期的に更新しなければならないのだ!それにしてもほとんどみんなが同じ時期にとりに行くものだから、ミーティングでまたかよぉ的な笑いが起ったのにはほんと驚くばかり。人のことは言えないけどね。。ちなみに、今のメンバー構成はこんな感じ:

シンガポール 1
イタリア 1
ジューイッシュ 1
フランス 1
中国 3
香港 1
日本 1
アメリカ 3

うちのチームにはインド人はいないのだけれど、これが実際にシステムをいじる部署になると飛躍的に増えることになる。そういえば、不思議なことにリスクマネジメントの部署では数えるほどしかインド人はいないんだよね。どうもインド人が比較的多いのは、ITとリサーチのような気がする